雇用契約の特殊性

雇用形態の特殊性について紹介します。日本は海外に比べて雇用形態も複雑だと思います。会社設立をして自分の会社の雇用形態はどうしますか?

労働基準法の適用−その1 総論−

民法の大前提は人格の平等・契約自由の原則である。
したがって契約当事者は互いに自由で対等の立場にある人格者相互間の関係を規定するという前提に立つものである。
しかしながら資本主義社会において契約当事者である企業対個人の経済的力量の差は明白であり、民法の枠で規定する自由と平等は実質的に不平等の関係を固定するものとなる。
そこで両者の関係を実質的平等な状態におくものとして、経済的弱者である個人を保護するため、民法の特別優位法として「労働基準法」が制定され、雇用契約に一定の規制を加えることとなった。同法の包括的な規制内容は次のとおりである。

労働基準法第1条(労働条件の原則)
この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから……(以下省略)

同法第13条(この法律違反の契約)
この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準による。

つまり、契約のうち労働契約は特殊性があるために、労働基準法で労働条件の最低基準が定められ、仮にその基準に達しない契約が成立した場合でも、その部分は無効となり、自動的に労基法最低基準が適用される、ということである。




 

 

 

労働基準法の適用−その2 契約要領−

同法第15条(労働条件の明示)
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

労働基準則は上記労基法を受けて雇用契約を締結する際の契約項目を定めており、主な項目は以下のとおりである。

@労働契約の期間に関する事項
A就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
B始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇等に関する事項
C賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切及び支払の時期ならびに昇給に関する事項
D退職に関する事項

この5項目は重要項目として、書面での契約が使用者に義務づけられている。

労働契約において使用者の社会的経済的優位が現実のものであれば、契約内容は使用者サイドで決定されるばかりでなく、その解釈なども含め、使用者側に有利に確定する恐れもある。そこで労働基準法は、使用者に労働契約締結に際して労働条件の明示義務を課している。これに違反した場合、契約は無効になるものではないが、使用者側は罰則の適用を受けることになる。

(3)従属労働

雇用契約における労働者側の債務は「労働もしくは労働力の提供」であり、それは体と頭脳を一定時間専属的に提供するということであり、一つ間違えば奴隷契約とか命の提供にまでつながる危険な内容を孕んでいる。
この点については上記の労働基準法により、強制労働の禁止等保護規制がなされているが、労働者は提供した労働力を使用者の処分に委ねることとなるため、個々の具体的労務を提供する過程で「使用者の指揮に服する義務」を負う。(民法625条2項)

(4)集団組織労働

雇用契約の特殊性としてあげられる3点目は、労働者の契約義務である労働提供はその過程において「多人数の労働者による共同的行為」によって行われるという点である。したがって労務の提供という契約の履行がなされるために労働者が「企業秩序を遵守すること」は当然の要請であり、労働者の義務である。(関西電力事件 最高裁昭和58年判決文)

 

 

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